カンボジアの首都プノンペン。女子大生ソポンが見た古い恋愛映画には今は病床に伏せる母が主演していました。美しく輝いていた母の知られざる女優時代…。映画の最終シーンが失われていることを知ったソポンは、映画を完成させようと決心します。そのことから、クメール・ルージュの大弾圧の時代を懸命に生きた人々の数奇な運命が明らかになっていきます。かつては「アジアのパリ」と呼ばれたプノンペン。国立劇場として利用されてきた実際の映画館シアター・プノンペンなど、オールロケーションで現代と歴史が混然となったカンボジアの「今」を映し出しています。
カンボジア映画史上初の女性監督ソト・クォーリーカーの初監督作品。「トゥームレイダー」のラインプロデューサーを務めるなどハリウッドで活躍。第27回東京国際映画祭国際交流基金アジアセンター特別賞をはじめ、数々の賞を受賞。