北の離島の美しい港町。登美子の夫が突然姿を消してから30年の時が経った。彼はなぜいなくなったのか、生きているのかどうか、それすらわからない。漁師の春男が登美子に思いを寄せ続けるが、彼女がそれに応えることはない。
そんな登美子のもとに、2年前に失踪した夫を探す奈美が現れる。ある日、登美子は街中で偶然、失踪した奈美の夫・洋司を見かけて・・・。
日本では年間約8万人が人知れず消え、そして今もどこがで誰かを待つ人がいる。そこにはいったいどんな物語が隠されているのか。
ドキュメンタリー出身の久保田直監督が「失踪者リスト」から着想を得て、8年もの歳月をかけて映画化。
出演は日本映画界を代表する名優・田中裕子。夫の帰りを待ち続ける一人の女性の強さや脆さを繊細に体現する。田中演じる登美子とは対照的な女性・奈美を熱演するのは尾野真千子。登美子に思いを寄せる漁師の春男をダンカン。失踪した奈美の夫・洋司を安藤忠信が演じ、物語に深みをもたらす実力派俳優陣が集結した。