関東大震災後の混乱のさなか
ひとりの女性が憲兵に虐殺された。
女性解放運動家の伊藤野枝。
平塚らいてうの「元始、女性は太陽であった」という言葉に感銘を受け、バイタリティ溢れる情熱で「青鞜社」に参加すると、ジェンダー格差や貧困などの社会矛盾に異議を申し立てていく。
吉川英治文学賞を受賞した村山由佳の評伝小説「風よ あらしよ」を原作に、
一人の女性の短くも激しい生涯を描く。
「女は、家にあっては父に従い、嫁しては夫に従い、夫が死んだあとは子に従う」事が正しく美しいとされた大正時代ー。
男尊女卑の風潮が色濃い世の中に反旗を翻し、喝采した女性たちは社会に異を唱え始めた。
福岡の片田舎で育った伊藤野枝(吉高由里子)は、貧しい家を支えるための結婚を蹴り上京。平塚らいてう(松下奈緒)の言葉に感銘を受け手紙を送ったところ、青鞜社に入ることに。青鞜社は当初、詩歌が中心の女流文学集団であったが、やがて伊藤野枝が中心になり婦人解放を唱える戦う集団となっていく。波乱万丈の人生をさらに開花させようとした矢先に関東大震災が起こり、理不尽な暴力が彼女を襲うこととなる。