初代天狗屋久吉は、明治・大正・昭和と三時代にわたり、阿波人形浄瑠璃に使用する木偶(でこ)を製作した人形師です。16歳で和田の人形富に弟子入りをして以来、生涯ひたむきに人形をつくり続け、製作した頭は千を超えると言われています。阿波や淡路の舞台に映える、より優れた人形を生涯にわたって追い求め、頭の大型化、ガラス目の採用など工夫を重ね、阿波木偶が全国的に知られるものとなりました。天狗久の努力は、現代に受け継がれ、今も多くの人形師が活躍し、全国の人形浄瑠璃を支えているのが徳島なのです。
天狗久やその伝統を受け継ぐ現代の人形師の作品、天狗久が使った道具などを展示するほか、人形師による制作実演もあります。さらに特別公演では、天狗久の人形が登場する演目をお楽しみいただきます。
★特別展★
・初代・天狗久の木偶や道具、細工注文帳など
・現代の木偶:阿波木偶制作保存会師範制作の木偶
(人形恒、人形由、人形末弘、人形洋、人形伊左)
・神山町小野さくら野舞台が所有する襖絵など
★特別公演★
●9月17日(日)14:00〜15:10
「傾城阿波の鳴門順礼歌の段〜十郎兵衛内の段」
太 夫:(口)藤井登美昇、(奥)吉本藍玉
三味線:竹本友和嘉
人 形:勝浦座
- 10月15日(日)15:30〜16:15
「生写朝顔日記 宿屋から大井川」
太 夫:竹本友代
三味線:鶴澤友輔
人 形:寄井座
- 11月4日(土)15:30〜16:15
「三番叟まわしと箱まわし」
人形/阿波木偶箱まわし保存会
★人形師による制作実演と解説★
①9月16日(土)、②10月8日(日)、③10月29日(日)、④11月12日(日)
各日とも10:00〜12:00、13:00〜15:00